強制ロスカットは、FXや先物取引のような証拠金取引ではよく聞く言葉になります。
今回は、FX取引の特徴と、業者側からの視点をもとに強制ロスカットについて解説していきます。
- 強制ロスカットの仕組みがわかる
- 相場の価格決定の仕組みがわかる
- 破産しないための投資法がわかる
強制ロスカットは投資家保護の役割があるとされている
強制ロスカットとは、証拠金維持率がある水準を下回った時に行われるロスカットのことで、
保有しているポジションが自動的に決済されてしまいます。
この強制ロスカットの役割ですが、一般的には次のように言われています。
投資家の損失を拡大しないため(投資家が破産しないため)
基本的には余剰資金で運用するのが投資やトレードになります。
そのため、トレードによって投資家が破産するようなことがあってはならないというような考え方です。
ただし、これは投資家目線でしかありません。
業者からすると、強制ロスカットがあることで次のようなメリットがあります。
投資家から債務を回収しなくてもよい
FXや先物取引のような証拠金取引では、相場の動きによっては、証拠金以上の大きな負けをする可能性があります。
例えば、100万円の証拠金でトレードしている投資家が、150万円の損失を抱えたとします。
その場合、100万円から150万円を引いた50万円分のマイナスが出てしまします。
こうなってしまうと、FX業者は投資家から50万円を取り立てる必要が出てきます(追証)。
そのような手間がかからないようにするためにも、
強制ロスカットというシステムが必要なのです。
強制ロスカットの基準は業者が決める
強制ロスカットの基準は業者が決めています。
FX取引においては、買いと売りに差があることはすでにご存知かと思われます。
- ASK・・・買値
- BID・・・売値
強制ロスカットをする際に、この買値と売値の間の値段である「仲値」を採用するか、
買値や売値そのものを採用するかは業者によって異なります。
各FX業者の強制ロスカットの扱いに気をつけておきましょう。
また、FXの取引は業者との相対取引になります。
そして、売買の注文をコントロールしているのも業者になります。
最近の日本のFX業者では、過度な売買コントロールは禁止されていますが、
過去に、売買注文をコントロールして、価格を大きく上げ下げさせて、
投資家のロスカットラインを発動させるストップ狩りというものが行われていたこともあります。
とはいえ、業者によって価格変動が異なっていることは間違いないので、
強制ロスカットは業者のさじかげんになっているといえる現状です。
もちろん、このような相場操作は、株式相場などでは禁止されている行為です。
強制ロスカットを食らってはいけない
投資家の中には、強制ロスカットがあるから手動でロスカットを設定しないという人がいますが、
このような考え方は、とんでもないことです。
先ほどから説明しているように、強制ロスカットが業者のさじかげんになっています。
特に、金融庁に取り締まりを受けていない海外FX業者に関しては、ストップ狩りが横行しています。
そのため、強制ロスカットによる決済は投資家にとってはマイナスにしかなりません。
例えば、長期のトレンドをとるためにポジションを持ったが、一本のローソク足で強制ロスカットされてしまった。
その後、順調にトレンドに乗るようなケースです。
レバレッジを効かせて取引をしていると、このようなことがざらにあります。
強制ロスカットがかかるような状況でトレードをすることは破産への一歩になってしまいます。
強制ロスカットを食らわないためにすること
強制ロスカットがかからないようにするためには、徹底した資金管理が必要になります。
すなわち、大きく値を振り動かされた場合でも強制ロスカットがかからないように証拠金を手厚く持つことが大切になります。
レバレッジの大きさは魅力的ですが、ピラミッティングが大きくできるということに利用する程度に考えておかなければ大変なことになります。
また、短い足でのトレードをしないことが大切です。
僕の場合は最低でも1時間以上の足でトレードをしています。
短い足ほど相場操作の影響を受けやすくなります。
つまり、一時的な上げ下げにとどまらず、トレンドが発生してしまう可能性もあるのです。
チャート分析をしていると、このような人為的な操作によるチャート変化についていくことは非常に難しいため、
できる限り長い足で、業者の相場操作が及ばないようなところでトレードすることが大切になってきます。
まとめ
お疲れ様でした(^_-)-☆
今回はFXにおける強制ロスカットについて、業者の視点やFXの特徴をもとに解説していきました。
短い足でレバレッジを大きくかけるトレードは、いってしまえばギャンブルです。
パチンコ屋でいうと、一時的には客側が勝つことがあっても、
基本的には店側が有利なことと同じようなことが言えます。
FX取引の全体観をおさえることで、正しくトレードをしていきましょう!
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